ようやく巡り合えた請求書電子化システム
馬淵建設株式会社 - 神奈川県
明治42年の創業以来、「世のため、人のため」をモットーとし、建築・土木から不動産事業まで手がける馬淵建設。神奈川でも有数の同社は早くから管理部門のDX化に取り組んでいましたが、受領した請求書の電子化には苦戦をしていらっしゃいました。今回はDigital Billder(デジタルビルダー)導入プロジェクトを推進された財務経理部の勝岡次長と経営企画部 ICT推進室の野木様にDigital Billder導入前の業務、Digital Billder選定の理由、導入効果などをお聞きしました。
Digital Billder導入前の請求書処理業務の流れについて
勝岡様:毎月各作業所宛てに当社指定の紙の請求書と協力会社様の内訳明細が郵送または持参で届き、主任や所長が内容を確認、出来高査定等を行っていました。その内容を元に当社の工種コードや金額を指定請求書へ手書きし、それら指定請求書を見ながら基幹システムに手入力していました。
入力が完了したらチェックリストという一覧を印刷し、請求書類等と一緒に本社へ届けるという流れです。各作業所から集まった請求書類一式を工事部の役職者が確認した後、全書類が財務経理部に集まります。最後に経理でチェックと決裁をし、支払処理へと移ります。
協力会社から提出されていた紙の請求書 各項目を目視でチェックした跡がついている
ー請求書の処理で大変だったことを教えてください。
勝岡様:提出方法が郵送または持参だったため締切ギリギリに届いたり、締め切り後に届いたりすることがありました。どんな状況であっても指定支払日に確実に支払わなければならないため作業所・協力会社様・経理の三方で連絡、調整、確認するなど手間や時間がかかり、気を遣っていました。
また、基幹システムへ入力するための工種コードや内訳金額は各作業所長が紙の請求書に手書きしていました。それらを工事部長がチェックし、その後経理部内がチェックをするのですが、全て紙を確認します。メインの建築部門では多い月だと1000枚ほどのチェックがあり、全てを確認するのには一日半から二日を要します。支払い全体でみると一か月ほど時間がかかっている上、件数が多いため管理もとても大変でした。
財務経理部次長 勝岡様
電子化のきっかけとDigital Billderの印象について
ーそもそも電子化を考えるようになったきっかけは?
勝岡様:きっかけはインボイス制度、電子帳簿保存法への対応です。これまでは届いた請求書に修正点や相殺があった場合、電話による口頭でのやりとりでも合意がとれていればよかったのですが、2023年10月のインボイス制度開始からは全て書面でのやりとりが必要になります。特に当社は産業廃棄物の立て替えを始めとした「相殺」が日常的に発生するため、負担が増すことは容易に想像ができました。当時からWeb請求システムの存在は認識していましたので、当社に合うサービスをと情報収集を始めました。
いくつかのシステム会社さんのデモを拝見しましたが、いずれも惜しいなと。サービスの全体感は理解ができても、具体的な処理になると建設業独特の出来高、保留金、相殺、査定などに対応しきれておらずで。結局紙が残ったり、システム外での管理が必要だったりしてしまう。良くできている部分もありますが、業務の効率化まで実現するにはもう一歩という印象でした。
野木様:そのようなタイミングで燈さんのお話しを聞き、「あっ、これはいい!」と思いました。数多くの建設会社をヒアリングされているだけあって建設業の実情をよくわかってらっしゃるなと率直に感じました。初めて紹介を受けた後、「もうこれでいいんじゃない?」と思い、メンバーに感想を聞いたら同じ印象で。これまで惜しいサービスが続いていたこともあり、更なる検討は必要なく、満場一致で導入が決まりました。
経営企画部 ICT推進室 野木様
導入してから浸透するまでの流れについて
ー社内で浸透するまでの流れを教えてください。
勝岡様:正直なところ、そもそも電子化に対し「これまでのやり方でいいじゃないか」と当初は反対されたこともありました。手元で見ていた請求書類がなくなるなんて考えられないと。ただ、法律対応や業務時間を削減するという時代の流れの中、各工事部の役職者に導入経緯を丁寧に説明し理解を求め、社内向けの説明会を実施。協力会社様へは支払通知書の発送時やホームページ、作業所長からの伝達などで周知を図りました。
電子化への漠然とした不安を感じる方も多かったため、「いきなり100%電子にせず、慣れるまでは手元に請求書類を置いても問題ないですよ。」「慣れるまでは協力会社さんは紙提出のままでも大丈夫ですよ。」と不安を与えないようなコミュニケーションを心掛けました。
いざ導入してからはそこまで不満の声もありませんでした。元々電子化に難色を示していた作業所長も、今では「画面上で全て処理しているよ〜」と言ってくれています。ここまで浸透してよかったとほっとすると共に、急ピッチな変化にも関わらずついてきていただけたことに感謝をしております。
私自身が電子に慣れていったプロセスを振り返ると、最初は画面上での作業と紙では目線の流れが違うことに戸惑いました。ただ、不思議なものでやっていると慣れてくるんですよね。工種や科目といった項目自体は自社の指定請求書を再現したカスタマイズをしていただいていることもあり、慣れるまではそこまで時間がかかりませんでした。今ではどこに何のボタンがあるかを覚えているため、ストレスを感じることはありません。また、当社に必要ながら実装されてない機能があった場合はサポート担当の川﨑さんに伝えたらすぐに開発に組み込んでいただけました。声をあげてくれた社員の要望にしっかりと応えられたのも大きかったです。
導入の流れを振り返るお二人
ー協力会社様に浸透するまでの流れも教えてください。
勝岡様:燈さん側で協力会社専用の窓口を設けていただいていたものの、最初は当社にも問い合わせが多数ありました。そもそもパソコンに不慣れな方もいらっしゃるため、画面を見ながら電話で操作を説明するなど、丁寧な対応を心掛けました。
導入後、半年が経過しましたが問い合わせはかなり減りました。ログインやダウンロードの必要がなく、シンプルな操作なので協力会社様から見ても扱いやすいのかなと思っています。
Digital Billder経由で電子提出いただいている協力会社様に話を聞くと、「以前より楽になった」「封筒に切手を貼ってポストに入れたり、今思うと面倒だったね」「間違えた際に郵送し直す手間がなくなった」「封筒代や切手代もなくなって助かる」といった前向きな声をいただいております。
使ってみて分かったDigital Billderの魅力について
勝岡様:分かりやすい点ではとにかく紙が減りました。元々は厚さ15cmほどの紙の束が毎月10冊分ありましたが、Digital Billder導入後は1冊のみに減りました。これだけの紙を工事ごとに手で分け、本社と現場を行き来していたと思うと、それは大変だったよなあと改めて感じます。
電子化前は請求書の束が1ヶ月に10冊分あったが、今では1冊のみに
また保管の必要がなくなっただけでなく、検索も楽になりました。「あれ、あの工事の請求書ってどうなってたっけ?」「先月の請求内容は?」といった時でも工事名や工事コード、取引先名などでパッと検索ができます。これまでのように紙のファイルを探しに書庫まで行く必要もありません。
電子化の結果として、請求書が届いてから振り込みが完了するまでの作業期間がグッと短縮されました。テレワークにも適していますし、元々目的としていた法律対応もクリアでき、ほっとしています。
野木様:導入を決めてからわずか2か月ほどの短い期間で運用できたこともDigital Billderの魅力のひとつでしょう。この素早い導入により業務を迅速に改善し生産性を向上させることができました。Digital Billderの機能やUIがシンプルでわかりやすく作られているため、協力会社様や弊社工事部など、関係者全体がシームレスにシステムを受け入れていただけたと思います。
これから導入を考えている企業に向けて一言お願いします!
勝岡様:建設業は昔からの慣習やしきたりが残っており、まだまだアナログな作業が多いです。人手不足に加えて時間外労働の上限規制も始まり、生産性を上げていかざるを得ない。いよいよDX化待ったなしの状況です。そのような中でこのDigital Billderは事務作業の省力化の第一歩として始めやすく、とても価値があると思っています。DX化のきっかけとしてとてもいいなと思っているため、ぜひ多くの皆様に知っていただきたいです。
また、燈さんは建設業界に特化し、本気で業界のために取り組まれています。それはこれまでの対応の早さや機能追加などの真摯さを通して伝わってきています。請求書処理の効率化を第一歩とし、建設業における業務効率化を推進いただくリーディングカンパニーになっていただければと思います。期待しています!