月1000枚の請求書の電子化・効率化に成功
さらなる経理業務のDX化を目指す
株式会社佐伯建設 - 大分県
「誠実なものづくり」をモットーに掲げる株式会社佐伯建設。1917年の創業以来、総合建設業として本社のある大分県をはじめ、福岡・北九州・熊本に支社・支店を持ち、身近な建物から大規模建築物まで公共施設、医療・福祉施設、商業施設、神社・仏閣他様々な建物の設計・施工に携わってきました。また、大分県内ではトンネル・高速道路・港湾・河川改修などの土木工事でも地域を支えています。
経理財務グループでは毎月1000枚以上の協力会社からの請求書仕分け作業に追われ、年末や決算月には平時より残業が発生することもありましたが、Digitall Billder(デジタルビルダー)の導入により請求書処理業務の電子化・効率化に成功されました。今回は、常務取締役 管理本部長 松本様、管理部 経理財務グループ 坂本様にDigital Billder導入前の業務、選定の理由、導入効果などをお聞きしました。
Digital Billder導入前の請求書処理業務の流れについて
坂本様:請求書の締め日は15日必着で翌月10日が支払日です。本社経理財務グループでは、協力会社から毎月15日必着で紙の請求書を受け取り、締日翌日の午前中までに約1000枚の請求書を現場ごとに仕分けし、工事部の現場ポストに投函していました。締日翌日の午後以降に作業所長が請求書を取りに来て、約3日間で査定を行い、工事部で回覧後、請求書が23日前後に経理Gへ戻ります。その後、経理Gでは、支払日までに約5日かけて請求書の明細や査定内容をチェックし、自社システムにデータを入力、さらに約3日間かけて入力内容をチェックしていました。入力チェック後、全社合算の支払予定表を出力し、協力会社ごとに支払条件や相殺項目を確認、手形の郵送準備を行い、支払日前日にファームバンキングで総合振込のデータ送信を行っていました。
本社の1ヶ月分の請求書約1000枚です。保管スペースも限られており、整理するのに手間がかかっていました。
ー請求書の処理で大変だったことを教えてください。
坂本様:協力会社から届いた請求書を現場ごとに仕分ける作業が大変でした。本社では、毎月多い時で約1000枚以上の請求書が郵送または投函ボックスに提出され、開封作業にも多くの時間を要していました。届いた請求書には1枚ずつ締日付の受付スタンプを押印し、約50の現場別に手作業で振り分けていました。締日前は請求書の仕分け作業で手一杯でした。査定後の請求書が工事部から経理Gに回付されると、現場ごとに伝票番号を付与し、契約用と契約外の種別ごとに並び替え、請求明細や査定内容をチェックしていました。指定のExcel様式に伝票番号、取引先コード、査定金額、工種、消費税区分、摘要等を手書きし、コード印を押印していました。その後、経理Gメンバーで自社システムに入力し、チェックリストを出力して2回の入力データのチェックを行っていました。これらの業務を毎月23日頃から月末にかけて行っていたため、年末や決算月は多くの残業が発生していました。
受け取った請求書は1枚ずつ受領印のスタンプや、担当者・上長の印鑑を押印していました。現在はデジタルビルダーの承認ワークフローを活用し、ハンコレスになっています。
どの現場に配付したかを記録するために一覧表を作成していました。現場から経理に戻ってきた請求書は、スタンプを押印して管理していました。
電子化のきっかけとDigital Billderの印象について
ーデジタルビルダーの説明を初めて聞いた時の印象はいかがでしたか。
坂本様:2022年10月にデジタルビルダーのデモを初めて視聴しました。それまでにも請求書の電子化について様々な企業のデモを見てきましたが、建設業に適したサービスにはなかなか出会えませんでした。しかし、デジタルビルダーのデモでは、当社の課題にぴったりの解決策が提示されており、非常に驚きました。
デジタルビルダーは建設業に特化したシンプルで必要な機能が揃った革新的なサービスです。協力会社から作業所長宛に請求書のPDFデータを提出してもらうことで、紙の請求書を仕分けする手間が省け、作業所長が会社に受け取りに来る必要もなくなります。また、手書き査定が不要になり、承認をワークフローで行えるため、省力化・効率化が期待できます。
請求書の電子化は難しいと思っていましたが、協力会社のシステム利用料が無料で、請求書のアップロード方法もシンプルで分かりやすいため、協力会社も抵抗なく使用できると感じました。仮に協力会社がデジタルビルダーを使用できない場合でも、受領企業側でPDFデータ化して代行アップロードできる点も大きなメリットです。
ー貴社内での検討はどのように進みましたか。
坂本様:当時、新しい基幹システムを導入することが決まっていましたが、基幹システムには電子請求書システムが無かったため、デジタルビルダーの導入検討が始まりました。
新基幹システムとの連携に問題がないこと、大幅な業務効率化が見込めること、改正電子帳簿保存法・インボイス制度への対応も万全であることから、デジタルビルダーの導入が決定しました。
導入してから浸透するまでの流れについて
ー実際に導入してみての変化や反響はいかがですか。
坂本様:現在、デジタルビルダーの効果を実感しており、もっと早く導入すればよかったと感じています。経理業務のデジタル化やインボイス制度、改正電子帳簿保存法への対応には、デジタルビルダーの導入が必須でした。
デジタルビルダーを導入したことで、請求書の進捗状況が可視化され、リアルタイムで確認できるようになりました。工事以外の一般管理費等の請求書も一元管理でき、提出期間もシステムで設定できるため、締日を過ぎて請求書が届くことがなくなりました。請求内容に誤りがあり再提出を要する場合は、再提出用の項目を設定するなど柔軟に対応できます。
承認ワークフローも、申請者が次の承認者を選択する仕組みで、請求書によって決裁者が変わる場合や工事場所、所属部門が変わる場合でも管理者側の手間がなく、自由度が高い仕組みになっているのも便利です。
ー経理財務グループ内での変化や反響はいかがでしたか。
坂本様:デジタルビルダーでは、請求書を工事ごとに提出してもらうことがポイントです。工事ごとに担当者を設定することで、協力会社が提出した請求書が直接工事担当者に届き、経理Gでの請求書の仕分け作業が不要になりました。
導入当初はパソコン画面での請求明細や査定内容のチェックに戸惑いましたが、デジタルビルダーの操作画面はシンプルで分かりやすく、徐々に慣れていきました。当社では、デジタルビルダーの請求データをCSV連携で基幹システムに取り込むように構築し、請求書入力業務を簡略化・効率化し、ヒューマンエラーも防止できました。
請求書業務は紙ベースが前提で出社が必要という固定概念がありましたが、電子化することで緊急時にはテレワークも可能になりました。
請求書は電子化されているため、パソコン上でチェックできるようになりました。
ー工事部門の変化や反響はいかがでしたか。
坂本様:作業所長は、以前は紙の請求書を締日翌日に本社で受け取っていましたが、デジタルビルダー導入後は協力会社が請求書をアップロードすると、作業所長に通知メールが届くため、受付が一本化されました。これにより、作業所長の移動時間がなくなり、査定期間に余裕ができました。また、システムへのアップロードによりログが残るため、受付や紛失のトラブルも解消されました。
請求書原本は経理部門へ回覧するため、作業所の控えとしてコピーしていましたが、デジタルビルダーではいつでも過去の請求書を画面で確認できます。手書き査定がなくなり、システムに査定金額や工種を入力する方法に変わり、固定項目は初期値として設定することで入力作業を減らしています。また、請求内容に誤りがあり再提出された請求書もシステムですぐに確認、査定できるため、その後の処理の遅れが無くなりました。
ー協力会社様からの反響はいかがでしたか。
坂本様:本稼働に向けて、協力会社へデジタルビルダー導入のお知らせを通知しました。インボイス制度対応のため、請求書様式の変更やHPのリニューアル、利用マニュアルの作成を行いました。
本稼働前は利用率や運用のスムーズさに不安がありましたが、初月には8割の協力会社がデジタルビルダーを利用していただけました。過渡期には紙の請求書も一部ありましたが、PDFデータ化して代行アップロードすることで対応しました。その後、利用していただける協力会社が増え、紙の請求書はほとんど減少しました。システム利用料無料、ユーザー登録不要、簡単な操作であることが受け入れられた要因だと思います。
導入してから半年後に協力会及び協力会社にアンケートを実施し、デジタルビルダーを利用した会社の約7割が「請求書提出の省力化になった」と回答いただきました。今後もさらに使いやすい形にして多くの会社に利用してもらいたいと考えています。
導入に関わるサポートについて
ー現場導入までのサポート体制はいかがでしたか?
坂本様:営業段階でのご担当者様は、建設業の請求書業務に関する課題を深く理解しており、弊社の課題についても的確に把握していただきました。説明が端的で分かりやすかったため、導入検討までスムーズに進めることができました。
導入後から本稼働までの期間が最も大変でしたが、専任のCS(Customer Success)担当者様にサポートしていただきました。特に、デジタルビルダーと基幹システムを結ぶCSV取込フォーマットの構築に関して、CS担当者様にWeb会議やメールで何度も相談し、迅速に対応していただきました。そのおかげで無事に本稼働に至り、大変感謝しています。
導入後も、CS担当者様とはカスタマイズ部分のメンテナンスや維持管理のため、定期的にWeb会議で相談しています。
これから導入を考えている企業に向けて一言お願いします!
坂本様:システムは導入して終わりではないと思います。導入後は、維持、メンテナンスも含めてユーザーが使いやすいシステムにアップデートしていく必要があると感じています。その点に関して、デジタルビルダーは毎月アップデートが実装され、日々ユーザーが使いやすいシステムに進化し続けているのも魅力の一つです。ターゲットが建設業に特化しているためノウハウも多くあり、サポートの方々の対応力も高く、ユーザーの意見要望も前向きに聞き入れていただけるので、デジタルビルダーは自信を持ってオススメできるシステムです。